淫狼の生贄 第18回 女子大院生(3)
美加子は躰を起そうとしたが、両手を後手に縛られてしまっただけで思うように動けない。まるで床でもがいているようである。
「大学院の学生だと聞いていたけど、随分幼いですね。高校生だといっても通じるくらいだ」
並木が床でもがいている美加子を見下ろす。
「見掛けは幼いが、もう婚前旅行も済ませたようだ、そうだなお嬢さん」
安本の言葉に、蒔田もしげしげと美加子を見下ろしていた。
この二人は何者だろう、どうして自分のことを知っているのだろうか。それより、安本は自己紹介した通りなのだろうか。
それ以前に、何故自分がこんな目に合わされるのだろうか。美香子には何も分からない。
「そんなこと言ってないで手伝え」
安本に言われて、二人は美加子の所から、床に立っている柱のほうに移って、床にある角材を手に取った。
柱の方が角材より太い。蒔田がその柱の孔に一本の角材を差し込んだ。さらに、その柱から2メートルくらいの間隔を置いて並んで立っている一本の柱の孔にも、その角材の片方をを差し込む。そうすると、二本の柱の間に、横棒のように角材が渡された。
孔と差し込んだ角材の隙間に木の楔が打ち込まれると、横棒はがっしりと柱に密着して動かなくなった。「安本さん、これでいいですか」
「よしそれでいいだろう。高さも丁度よさそうだ」
安本は並木と一緒に床でもがいている美加子を柱の下まで引き摺ってきた。安本が抱き上げる。蒔田がいったん後手に縛ったベルトを解き、安本と一緒に横棒に両腕を沿わせて、既に用意してあったロープで手首を縛りつけた。
倒れないように安本支えている間に、二の腕も横棒に縛り付ける。美香子は立っているのには余裕があった。
ノースリーブからむき出した白い腕にロープが食い込み痛々しい。美加子が気丈ならもっと抗うすべもあったのだろうが、三人の男に思いがけない攻撃を受け、ただなすがままになってしまっていた。
「安本さん、何をするのです。やめて下さい」
弱々しく哀願するのがやっとだった。
「俺に抱いて欲しいんだろう」
「そんな・・・」
「そういう目をしてたじゃないか。それだから、のこのこホテルまで入ってきたんだろう」
確かに、美加子がただ送っただけで別れてしまうことが出来なかったのも事実である。それ以前に、見ず知らずの男を車で送ったことからして無用心だった。
ずっと女子校育ち、男といえば伯父が紹介してくれた長沼きり知らない美加子には、この安本が何を秘めていたのかなど、分かるはずは無かった。
「・・・・・・」
「それで、希望をかなえてやろうというんだ。ただ、俺流にな」
「こんなことするなんて、アメリカの会社のコンサルタントなんてのも嘘なんですか」
「いや、あれは本当だ。日本に来たのは仕事のためだ。西片総業ってのを知っているか。そこと一緒にちょっとした仕事があってね」
美加子も西片総業を知らないわけではなかった。江府町の西片建設を主体に色々な事業をやっているが、余り評判は良くない。
そのとき蒔田が美加子の正面のカーテンを開いた。その後ろから現れたのは大きな鏡である。壁全面ではないが、美加子の全身が映るのには充分な大きさである。
角材に両腕を開いて磔られている自分がすっかり見えてしまい、美加子は思わず目をつぶって、顔を伏せてしまった。
「男に抱かれる時には裸になるのが普通だな。婚約者とカナダに行ったときもスッポンポンになったんだろう」
美加子は顔を伏せたまま小さく左右に首を振るだけであった。
「じゃあゆっくりと脱いでいってもらおうか」
前釦のシンプルなワンピースである。図書館へ資料を調べに行っただけなので、普段着に近かった。その釦の一番上を安本は無造作に外した。
「ほら、胸が少し開いた。谷間が見え始めてるよ。目を開けて、鏡を見るんだ
「イヤです。やめて下さい」
「じゃこんどはこっちだな」
裾のボタンを外す。足は揃えて床についているので、それだけでは裾が広がることはない。
「目を開けるんだ。鏡を見ろ」
それでも美加子は目をつぶったままである。
「よし言うことを聞けないのなら、もう一つだ」
下から二番目のボタンを外し、さらに胸のボタンも外してしまった。胸がはだけて白いブラジャーが覗いてしまった。
「ブラジャーが見えるぞ。ちゃんと自分で見ろ」
並木が大きな声を上げて、美加子の髪の毛を鷲づかみにして顔を上げさせる。
その声と、髪を引っ張られた痛さに思わず美加子は鏡を見てしまった。
さらにボタンが外され、もう胸は完全に露出してしまっている。ブラジャーが丸見えであった。
「いやー恥しい・・・お願いです、やめてぇ」
「いやだめだな。俺に抱かれたいんだろう。その望みを叶えてやろうってんだから」
「しっかり見てるんだぞ」
並木は髪の毛を掴んだまま離さない。
「こんなの、犯罪です。ヤメテ、そうしないと・・・」
「犯罪だって?とんでもない、合意だろう。ここはホテルだ。一緒に寝る所じゃないか。フロントでも腕を組んでエレベーターに乗ったし、レストランでも楽しげにしていたじゃないか。誰に聞いても恋人同士に見えたと証言してくれるよ」
計画的だったのだろう。こんな詭弁が通るとは思えないが、美加子には言い返すことが出来なかった。それにしても、何の目的で安本はこんなことをするのであろうか・・・恥ずかしさに頭の中がほとんど白くなってしまった美加子だったが、チラッとまたその疑問が掠めた。しかし、男達の攻撃の手に、疑問どころか身をかばうすべも思いつかなかった。

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「大学院の学生だと聞いていたけど、随分幼いですね。高校生だといっても通じるくらいだ」
並木が床でもがいている美加子を見下ろす。
「見掛けは幼いが、もう婚前旅行も済ませたようだ、そうだなお嬢さん」
安本の言葉に、蒔田もしげしげと美加子を見下ろしていた。
この二人は何者だろう、どうして自分のことを知っているのだろうか。それより、安本は自己紹介した通りなのだろうか。
それ以前に、何故自分がこんな目に合わされるのだろうか。美香子には何も分からない。
「そんなこと言ってないで手伝え」
安本に言われて、二人は美加子の所から、床に立っている柱のほうに移って、床にある角材を手に取った。
柱の方が角材より太い。蒔田がその柱の孔に一本の角材を差し込んだ。さらに、その柱から2メートルくらいの間隔を置いて並んで立っている一本の柱の孔にも、その角材の片方をを差し込む。そうすると、二本の柱の間に、横棒のように角材が渡された。
孔と差し込んだ角材の隙間に木の楔が打ち込まれると、横棒はがっしりと柱に密着して動かなくなった。「安本さん、これでいいですか」
「よしそれでいいだろう。高さも丁度よさそうだ」
安本は並木と一緒に床でもがいている美加子を柱の下まで引き摺ってきた。安本が抱き上げる。蒔田がいったん後手に縛ったベルトを解き、安本と一緒に横棒に両腕を沿わせて、既に用意してあったロープで手首を縛りつけた。
倒れないように安本支えている間に、二の腕も横棒に縛り付ける。美香子は立っているのには余裕があった。
ノースリーブからむき出した白い腕にロープが食い込み痛々しい。美加子が気丈ならもっと抗うすべもあったのだろうが、三人の男に思いがけない攻撃を受け、ただなすがままになってしまっていた。
「安本さん、何をするのです。やめて下さい」
弱々しく哀願するのがやっとだった。
「俺に抱いて欲しいんだろう」
「そんな・・・」
「そういう目をしてたじゃないか。それだから、のこのこホテルまで入ってきたんだろう」
確かに、美加子がただ送っただけで別れてしまうことが出来なかったのも事実である。それ以前に、見ず知らずの男を車で送ったことからして無用心だった。
ずっと女子校育ち、男といえば伯父が紹介してくれた長沼きり知らない美加子には、この安本が何を秘めていたのかなど、分かるはずは無かった。
「・・・・・・」
「それで、希望をかなえてやろうというんだ。ただ、俺流にな」
「こんなことするなんて、アメリカの会社のコンサルタントなんてのも嘘なんですか」
「いや、あれは本当だ。日本に来たのは仕事のためだ。西片総業ってのを知っているか。そこと一緒にちょっとした仕事があってね」
美加子も西片総業を知らないわけではなかった。江府町の西片建設を主体に色々な事業をやっているが、余り評判は良くない。
そのとき蒔田が美加子の正面のカーテンを開いた。その後ろから現れたのは大きな鏡である。壁全面ではないが、美加子の全身が映るのには充分な大きさである。
角材に両腕を開いて磔られている自分がすっかり見えてしまい、美加子は思わず目をつぶって、顔を伏せてしまった。
「男に抱かれる時には裸になるのが普通だな。婚約者とカナダに行ったときもスッポンポンになったんだろう」
美加子は顔を伏せたまま小さく左右に首を振るだけであった。
「じゃあゆっくりと脱いでいってもらおうか」
前釦のシンプルなワンピースである。図書館へ資料を調べに行っただけなので、普段着に近かった。その釦の一番上を安本は無造作に外した。
「ほら、胸が少し開いた。谷間が見え始めてるよ。目を開けて、鏡を見るんだ
「イヤです。やめて下さい」
「じゃこんどはこっちだな」
裾のボタンを外す。足は揃えて床についているので、それだけでは裾が広がることはない。
「目を開けるんだ。鏡を見ろ」
それでも美加子は目をつぶったままである。
「よし言うことを聞けないのなら、もう一つだ」
下から二番目のボタンを外し、さらに胸のボタンも外してしまった。胸がはだけて白いブラジャーが覗いてしまった。
「ブラジャーが見えるぞ。ちゃんと自分で見ろ」
並木が大きな声を上げて、美加子の髪の毛を鷲づかみにして顔を上げさせる。
その声と、髪を引っ張られた痛さに思わず美加子は鏡を見てしまった。
さらにボタンが外され、もう胸は完全に露出してしまっている。ブラジャーが丸見えであった。
「いやー恥しい・・・お願いです、やめてぇ」
「いやだめだな。俺に抱かれたいんだろう。その望みを叶えてやろうってんだから」
「しっかり見てるんだぞ」
並木は髪の毛を掴んだまま離さない。
「こんなの、犯罪です。ヤメテ、そうしないと・・・」
「犯罪だって?とんでもない、合意だろう。ここはホテルだ。一緒に寝る所じゃないか。フロントでも腕を組んでエレベーターに乗ったし、レストランでも楽しげにしていたじゃないか。誰に聞いても恋人同士に見えたと証言してくれるよ」
計画的だったのだろう。こんな詭弁が通るとは思えないが、美加子には言い返すことが出来なかった。それにしても、何の目的で安本はこんなことをするのであろうか・・・恥ずかしさに頭の中がほとんど白くなってしまった美加子だったが、チラッとまたその疑問が掠めた。しかし、男達の攻撃の手に、疑問どころか身をかばうすべも思いつかなかった。

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