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DUGA

新・縄を求めた女:第3回(立ち縛り)







そこまで縛ると彼は一旦彼女から離れ、じっとその姿を見つめ続けた。
「素敵だ、本当に縛られて美しくなる女だ」
「いやぁ、そんなこと‥‥‥恥ずかしいわ」
縛られて体を動かせずにいるのはかなり辛い。暫くすると彼女は正座を崩して横座りになってしまった。男から見ればかなり色っぽい姿ではあるが、彼女はそんなことは意識していなかった。
「ますますいいなぁ、もう最高の受縛姿だよ」
じっと注がれる痛い様な視線を受けて、耐えられなくなって身をよじる。さらに脚が崩れてスカートが捲れ上がってきてしまった。
そんな姿が男を魅することなど彼女の意識には無かった。だがその乱れてきた姿を、彼女は直すことも出来ない。そうと分かっていながら、どうしても身もだえしてしまう。まるで男を誘っているようだ。
そうとも知らずに、楽な姿勢になろうと身悶えする度に、縛られているということが、痛いほど実感されて、彼女の被虐感が高まってしまっていた。

横座りのままで身もだえするように動く彼女を、暫くの間じっと見ていた彼が立ち上がった。
「縛られて同じ姿勢を強制されているのは辛いものだろう。そのまま横になってもがいてもいいんだが、今日はそうゆっくりとしている訳にもいかないだろう」
「すみません」
「謝ることは無いよ、立って貰おうか」
彼は背後から彼女の体を抱きかかえると持ち上げた。彼女もある程度躰を起こされたところで、自分でも立ち上がろうと脚を踏ん張った。しかし、腕を完全に固定されてしまっていることが、こんなにも自分の体の自由を奪っていることには気づかなかった。脚に力を入れてもバランスが全く取れなかった。

彼は立ち上がらせた彼女を廊下に連れ出して、襖を寄せたことによって一本の角棒になっている柱に、庭の方へ向けて彼女を立たせた。そして、既にそこに寄せてあった縄の束を持ち上げると、鴨居の柱との接合部に巻き付けて、その縄尻を彼女の躰に巻き付いて背中でまとまっている縄に通し引き上げた。さらにもう一度鴨居に通すとそれを引っ張る。彼女の躰は引き上げられていった。
やっと足が着くくらいに引き上げると、縄止めをし、さらにその胸に縄を巻き付けて柱に縛り付けてしまった。もう彼女は立ったまま身動きが出来ない。脚は自由なので動かすことは出来るが、立っているのがやっとなので、それも自由とは言い難かった。
その脚も、スカートの上から太腿も柱に縛り付けられ、更に足首も括られてしまった。

外は夏の午後の日差しが降り注いでいる。木立が濃いとはいっても明るい午後である。その光の中で、緊縛姿を全て曝してしまっていた。もし外から見られたら丸見えである。
「どうだい、立ち縛りの感じは」
「締め付けられて気持ちいい、でも恥ずかしいわ。何もかも見られてしまっているみたいで」
「林は深いし、外からは見えない。それに他人がここに入ってくることは出来ないから、安心していても大丈夫だよ。僕が鑑賞しているだけだ」
「でも‥‥‥」
夢にまで見た憧れの緊縛、その被虐感に思わず彼女は俯く。
「うん、綺麗だ‥‥‥それに味がある」
「いやぁ、そんなこと言わないで」
柱に縛り付けられさらに吊りまで加わって、拘束感が高まっている。いくら躰を動かしても、まるで柱と一体になってしまったように、全く動けなくなってしまっていた。

彼はそれ以上彼女に何かしようとはしなかった。身動きが全く出来ず、足先まで縛られては何も抵抗できない。彼が手を伸ばしてきても彼女は拒否できる状態ではなかった。
メールで散々彼が言っていた縛られる危険性の一つがこれだった。彼女はそのことは、ここへ来ると決心した時には吹っ切れていたつもりだった。だが実際にその状態にされた今は、もし彼が襲ってきたら、このまま彼を受け入れることができるか不安があった。

「アア~~」
何時の間にか彼女の口から声が出ていた。俯いている首もゆらゆらと揺れる。意識している訳ではなかったが、何時の間にか縛られたという恍惚感に酔い始めていたのだろう。
自分では立っていられず、全て縄に委ねてしまっていた。
どのくらい時間が経ったのか、彼女には分からなかった。さすがの夏の日もやや傾いて、庭の木々の影も長くなってきていた。

縄に身を任せて、その恍惚感にたゆたっていた彼女に、切羽詰った事態が襲いかかってきた。
「お願い、縄をといて下さい」
「どうしたんだ、どこか痛むのか。気持ちよさそうだったじゃないか」
「そうじゃなくて‥‥‥ちょっとの間だけでも」
「理由を言わなきゃわかんないよ」
「アア、あのぅ~~~おトイレに」
「そうか、そうならはっきり言えばいいじゃないか。すぐ連れて行って上げるよ」
彼は脚を柱に括り付けている縄をほどいた。さらに上半身を柱に縛り付けている縄もほどき、鴨居に吊っている最後の一本だけを残した。



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