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淫狼の生贄 第46回 人妻(1)

「芳川さん、いつになったら新工場の建設は始まるんだい」
「もうちょっと待ってくれないか、今義父を説得しているところなんだ」
「そんなことを何回も聞かされたってしょうがないんだ。こっちはもうずいぶんあんたにつぎ込んでいるんだぞ。それに、建設機械や現場道具も準備してえらい出費だ。えっ、どうしてくれるんだ」

江府町の繁華街にあるクラブの片隅で、西片建設の塚田社長と南條鉱業の芳川常務のいつものやり取りが始まっていた。
「まあ、塚田さん、芳川常務にだって都合があるだろう。それに、そう簡単にいくはずはない。調べた所、南條鉱業にはそんな計画は無いらしいという情報もある」
今日はいつもと違って、アメリカから来た投資顧問会社の安本が一緒にいる。
「いや、それは秘密裏にやっているから………」
「芳川さん、私の調査能力を甘く見ないほうがいい。芳川さんは常務取締役とはいっても、社長の一人娘と結婚したので、その地位にいるだけで、何の権限もないことは分かっているんだ。この辺で体裁をつくろってないで、我々に協力してくれないか。けっして悪いようにはしないし、今までのことも水に流してやろう」
「そういうことだ。俺たちも南條鉱業のおこぼれの仕事をやるより、アメリカの有力な投資顧問会社も組んでくれたので、南條鉱業自体を頂いちゃうことにしたんだ。そして、江府町も恵須市と合併して大きな市になり、大々的に公共工事を頂こうってわけだ」
「それで私は?」
「なに、芳川さんにはちょっと手伝って貰うだけでいい。南條鉱業が手に入ったら、吉川さんには社長になって貰う。やはり、分かっている者がトップにいないと、せっかく南條鉱業を手に入れても経営が難しい」
「そりゃそうだ。西片総業さんのほうだけでは無理だろう。大体社員もついてこないし・・・」
「分かっているじゃないか」
塚田がほくそ笑んで、まるで芳川の肩を叩かんばかりだ。

「そこでだ、南條鉱業の大株主の一人である奥さんをこっちに取り込もうと思っている」
「しかし、株を持っているといっても、上場している訳ではないから、簡単に売買できるものではないし、名義の書き換えには、取締役会、言い換えれば社長の承認が必要になる」
「そんなことは充分承知している。芳川さんはそんなことは心配しなくていいんだ。こっちで全て上手くやってやる」
「芳川さんに頼むことは、奥さんにビールとでも一緒にこの薬を飲ませて貰えばいいんだ。心配は要らない、ただの睡眠薬だ」
塚田の手から芳川に白い錠剤が1シート渡された。

「でも、女房は実家に戻っちゃって別居中だし・・・」
「とはいっても夫婦だ。口実はいくらでもあるだろう。そうだ、奥さんは離婚したがっているはずだな」
「ああ、確かに」
「じゃあ、離婚に応じるといって、呼び出せばいいだろう。そうすりゃ来るはずだ、本人の署名と判子が必要だからな」
「そうか、その手があるな。しかし、本当に離婚するとなると・・・」
「離婚届は書いただけじゃただの紙切れだ。出さなきゃいいだろう。奥さんのほうは我々がうまくやる」
「わかったな、数日中にやるんだ。やって貰う前に連絡する。それと、南條鉱業には辞表を出しておくんだな。離婚して東京へ戻って、一からやり直すとでも言っておけばいい」

塚田の連絡委応じて、芳川から塚田に電話が入ったのはその1週間後だった。さすがの暑さも峠を越し江府町でも過ごし易くなってきた夜である。明日の夜、妻の静香が来るとのことである。辞表を出したので、本気だと信用してくれたとのことであった。
それを聞いて塚田は必要な手配を始めた。

「これに署名して捺印してくれればいい。俺の方は済ませてある」
芳川はダイニングのテーブルに広げた離婚届を静香のほうに向けた。
「でも、どうして急に気が変わったの」
「俺も南條鉱業に飼い殺しにされているのも嫌になってね。自分の力で生きてみたくなったのさ。それと、お前も戻ってくれるわけはないし」
「よく分かっているじゃない。当面の生活費なんかに困らないように、退職金も出るように父に話しておくわね」
機嫌よく静香は署名して押印した。

「じゃあ、お別れに乾杯でもするか」
芳川は台所に行くと缶ビールとコップを持ってきた。缶のプルトップはすでに開いている。それを静香のコップに注いだ。残りを静香の前に置くと、芳川は別の缶を開けて自分のコップに注いだ。
いつの頃からか、静香は自分の缶は自分で飲み干す。いつもの通りであった。
「じゃあお互い新しい生活へ、乾杯」
芳川は静香が一気に飲み干すように、わざと陽気にグラスを合わせ、自分も一気に飲み干した。静香もやっと離婚が成立して気を許したのか、同じように一気に飲み干した。
彼女は空になったコップに自分の缶から継ぎ足すと、半分ほどまた口に流し込んだ。

「それでいつここを空けてくれるの」
「明日には荷物をまとめて、とりあえず明後日には東京へ行ってみる。大よその当ては付いているんだ」
「そう、じゃあ来週には私は戻ってもいいわね。親といると何かと気兼ねで」
甘ったれて遊びまわっていると聞いているのに・・・と、芳川は苦々しく思った。

芳川と静香が会ったのは、静香が友人二人とヨーロッパを旅行中の時だった。
芳川は一流と言われる国立大学の工学部を卒業し、大手の製鉄所へ就職したが、当然のことながら仕事は厳しかった。特に最初は工場での勤務で、夏でも灼熱の現場で現業の人たちと一緒に働かなければならない。特に自分が卒業した大学より格下の大学を卒業した先輩社員の命令に従っていなくてはならないのに嫌気が差し、2年ほど勤めただけで退職してしまった。その後、外資系の企業に勤めたがそこも長続きせず、たまたま出張で行ったスペインに留まってしまった
しゃにむに働かなくても、日本人のガイドやらなにやらで、食べつないでいかれる生活が性に合ったのか、思いのほか長く居ついてしまっていた。
そんなところへ、静香が友人二人と一緒にやってきた。






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1.縄に堕ちて
2.熟女人妻奴隷調教
3.禁断の館第1話未経験の女
4.禁断の館第2話未亡人再調教
5.淫狼の生贄
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