「口の棒をしっかりと噛むんだ」
野々村は台の上からバラ鞭を取り上げる。丸茂も同じようにバラ鞭を持った。
まず野々村が鞭を振りかぶると、やや腰を落とすようにして態勢を整えると、スナップを利かして、舞子のヒップの膨らみを打ち据えた。
バシッ!
「グゥ!」
皮膚に与える痛みだけでなく、打たれた後にジワッとしみるような痛さに、舞子はぐらりとよろめいた。
鞭の当たった所がたちまち紅く染まってくる。
反対側から、今度は丸茂が鞭を振るう。またよろめく舞子。
「グゥゥ!」
バイトギャクを噛み締めたうえ、顎も動かないように固定されている舞子は、悲鳴すらくぐもった声になってしまっている。
適度な間を置きながら、二人は交互に舞子を打ち据えて行く。
鞭打ちのスペシャリストと言うだけあって、腰が入っているためか、手首のスナップが効くのか、山本が鞭を振るった時と格段の違いがある。痛さも痛いが、バラ鞭の房のひとつひとつが、躯に浸み込んでくるような痛みを与える。バラ鞭なので打撃点が分散されるためかもしれない。
何発かヒップを打ちすえてそこを真っ赤にすると、二人は一旦手を止めて、鞭跡を確認した。
「綺麗な肌だ、これなら大丈夫だろう。バラ鞭で少し踊らせてやるか」
チェンブロックが少し巻き上げられる。
「ムム‥‥‥」
いくら舞子が頑張っても、巻き上げる機械の力には勝てない。両脚がしっかりと床に着いていたのが、爪先立ちになってしまった。それでもやっと立ってはいられる。
「今までは小手調べだ、本格的にいくぞ」
完全にYの字型に引き伸ばされた舞子の躰に、二人の鞭がまた振るわれ、白い肌に炸裂する。今度は二人で様子を見ながら交互に振るうのではない。一人一人が自由に鞭を振るい始めた。その上、丸茂はバラ鞭だったが、野々村は乗馬鞭に持ち替えていた。その乗馬鞭が、風を切るような音を立てて振るわれ、最初に舞子の太腿を叩いた。
バシッ!
細い棒の先の平たい革の部分が舞子の肌に炸裂した。
「アォウ!」
バラ鞭と違って撃たれた所に強烈な痛みが走る。口からバイトギャクで制限された悲鳴を発しながら、舞子は打たれた片脚を避けるように持ち上げた。その途端に、もともと爪先立ちで不安定だった躰がぐらりと横になりそうになる。もう片方の足も爪先が着いているだけなので、踏ん張ることが出来ない。床に着いている足を中心に、舞子の躰はぐるりと半回転してしまった。その時丸茂の前に躰の前が曝され、無毛の下腹部にバラ鞭が炸裂した。
「ウウッ!」
やっと降ろした乗馬鞭で打たれた足も踏ん張ることが出来ず、舞子は鉄棒にぶら下がるように両脚を上げてしまった。そんな時のための手枷なのであろう、手首に喰い込んでくることは無かったが、不意打ちだったため、躰が捩れて脇の下に痛みが走った。
そんな舞子の動きにはお構いなく、二人は舞子の動きに合わせるかのように、目の前に曝される肌に、各々の得物を振るった。
舞子はギャグの間から涎を垂らし、悲鳴とも呻き声ともつかぬ声を、絶え間なく漏らし続けながら、打たれるたびにくるりと廻ったり、一瞬宙吊りになったりと、鞭で踊らされているかのようであった。
打たれた跡は肌が切れることは無いが、紅く染まってきて熱くなってきた。躰から汗がにじみ出てくる。
バシッ!
ビシッ!
何回も繰り返されるうちに、舞子は段々痛みに鈍感になって来てしまった。痛みを感じないのではなく、意識が虚ろになって来てしまったのかも知れない。肌が火照って、躯の中までその火照りが入り込んで躯が熱くなってきた。
動きが鈍くなったのを見て、野々村が鞭を止めた。ほぼ同時に丸茂も止めた。
「気付かせてやるか」
丸茂がチェンブロックを下げ始めた。足が床に完全に着いた。だが、さらに緩められても舞子は自力で立っていられなかった。そのままひざを折ってしまう。
丸茂は舞子が膝立てになった所で、チェンブロックを止めた。結局膝を着いて腕はYの字のまま吊られていた。

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