翌日花岡が温室に来たのは午後になってからだった。
「急に状況が変わったようだ。鈴木さんもDream Doll Houseに呼び戻された。詳しいことはハウスの会長が来て、今夜話してくれることになっている。貴子が望むなら、もうハウスにも戻らなくていいらしい。」
「それは、もうハウスとは縁が切れたということなのですか」
「いやそこのところは‥‥‥、なぜか急に連絡があった。僕にもまだ何がなんだかわからないが、ともかく貴子は自由になったようなんだ」
「急にそう言われても‥‥‥佐野については何か」
「いや、佐野さんについては何も言っていない。ともかくここは出て母屋に行こう。貴子は、もうこんな所にいる必要はないんだ。詳しいことは今夜会長から話を聞いてからだが」
貴子は母屋へ行っても何もすることは無かった。裸のままここに運ばれ、身に着けるものといえば貫頭衣を与えられただけだった。着るものひとつですら困ってしまう。花岡がとりあえず自分のTシャツを与えたが、貴子にはだぶだぶである。良いことといえば、辛うじて腰回りが隠れることだろうか。
「夜には倉橋会長が来て、すべてがはっきりする。それまでの辛抱だ。着るものも持ってきてくれるはずだから、それで我慢してくれ」
貴子はリビングのソファに座って、花岡の言うことを聞いていた。多分花岡が一週間だけでなく、ずっと貴子を自分のものにしたくなったのだろう。その為に倉橋会長に交渉した結果なのであろうと貴子は考えていた。花岡の物になる。そう「物」になるのだ。
「貴子さん、昨日佐野さんとは離婚したと言っていたね」
「ええ、離婚させられた、と言う方が正確かもしれないけど」
「それなら、僕と結婚してくれないか。あの若かった時の過ちを償いたい。いやそうじゃない、あれからもずっと貴子さんのことを想ってきた‥‥‥今思い返すと、確かにそう言える。忘れようとして、そして男として回復しようとして、国分さんに誘われてDream Doll Houseへも行ったが、結局男としては何もできなかった。それが、貴子さんを知っただけで、何か呪縛が解けたように戻ったんだ」
「結婚なんて‥‥‥ハウスの奴隷として体を改造されてしまったし、それだから花岡さんだけでなく、もう誰とも結婚なんか出来ないわ。それに、まだ何もわかっていない。ハウスの奴隷じゃなくなったと言っても、いずれは戻らなくてはならないかもしれないし‥‥‥」
「そんなことはどうでもいいことだ。貴子が欲しいんだ。生涯の伴侶として。躰じゃない、躰だけが貴子じゃない。貴子を欲しい、このせっぱつまった気持ちを分かってほしい。どうしてハウスに居たか分からないが、貴子はハウスにいた時は自分を抑えていたようだ。でも、今は違う。貴子は自由なんだ。結婚出来るんだ、そして僕と結婚してほしい。ずっと一緒にいて欲しい」
倉橋からの電話で、何か変化が起き、貴子も自由になると聞いて、一週間と言う期限で貴子を借りたことなど忘れてしまったかのように、花岡の気持ちは高ぶってきた。
花岡は貴子の返事も待たず、突然貴子を座っていたソファの上に押し倒した。
まるで、あの若かった時と同じようであったが、違うのは貴子が全く抵抗なく花岡に組み伏せられてしまったことだ。
若者に戻ったように花岡が貴子を抱きしめる。
「好きだ、貴子が好きだ‥‥‥」
片腕で貴子を力いっぱい抱きしめると、花岡はもう片方の手でTシャツの上から貴子の熟れた乳房を揉みしだいた。更にそれだけでは我慢できなくなり、Tシャツを捲りあげると、貴子の肌をさらして、すでに硬くとがった乳首を口に含んだ。そのまま手を下半身に伸ばし、貴子の無毛の裂け目をまさぐり始める。
だが、貴子はされるままでほとんど反応をしない。さらに、花岡の下半身も昨日温室ですっかり復活したようにはならなかった。
二人とも、虚しく肌を合わせているだけである。特に花岡にとっては、貴子と繋がって満足を得ただけに、焦りがますます結果を悪くするようであった。
「お願いです。昨日のように私を縛って下さい」
「えっ?」
「昨日もお話ししたように、ハウスで調教を受けて、縄でしっかり縛られて、そのきつい拘束感や辱めを受けないと感じない躰になってしまったのです。もう普通の女じゃない、だから結婚なんかできない」
「そうか、そうなのか。よし、分かった。しっかりと縛ってやろう」
「縛って、自由を奪って、辱めてめちゃくちゃにして‥‥‥」
花岡もまたノーマルな状態では、どうしても興奮出来ないようだと思い始めていた。確かに、Dream Doll Houseでのショーを見ても、下半身が充実して来るのを感じていた。だが、それは女を自分のものとして扱えるほどではなかったが。

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